サロン経営

星野リゾートから学ぶビジネスの本質

今日も読者から頂いたコメントを踏まえて、
星野リゾートの話まで巻き込みながら話をしたいなって思います。

昨日も10000字以上書いたので短くまとめようと思っていたら、
結局書き始めたら止まらなくなって、5000字近くになりました苦笑

ともあれ、まずは頂いたコメントの中から抜粋して紹介します。

ただ、いつまでも○○○○だとやっぱりちょっとよろしくないし、
自分の成長に繋がらないから最近は
ppcアフィリエイトやプログラミングでのツール開発を勉強してます。

この10倍ぐらい長い文章を送ってくれたのですが、
とてもいい考え方をしていらっしゃいますね。

本当は全文載せたいぐらいの返信だったのですが、
彼のビジネスの全貌まで全て分かってしまうのでここでは控えますが、
僕のメッセージからだけでここまで

「自分が何をしたくて、どこに向かいたいのか?」

を整理できる彼には脱帽です。

彼は今一つのやり方を教えて稼いでいるのですが、
いつまでも同じ事を教えているのもよろしくないっ、
てのはその通りだと思います。

もちろん、究極に再現性を高める(教育力を高める)事で立ち止まり続ける事は無いでしょうが、
成長率で言えば、他の事に取り組んだ方が絶対に大きくなると思うし、
自分の成長率がお客さんの成長率の限界になるので、
そういう意味でも古いものを捨てて、
新しいものを手に入れる一歩を踏み出す事は大事だと、僕は常に思っています。

僕に取っての「自由」ってそういう事だと思っていて、
古いしがらみを取り払って、
もしくは今までやってきていた事を全て捨てて新しい事をまた0から始めるとか、
そうすることで、スペースが出来る。

その結果色々な事が手に入る環境に囲まれます。
後は手を伸ばして取りに行くだけですね。
特にわだかまりを捨てると、思考と行動の自由が得られますね。

あと、「捨てる」って言うとゴミ箱に捨てるみたいなイメージを持ちガチですが、
そうじゃなくて「○○をしない」
ってやらないことを決めるっていう意味に捉えて貰えれば。

やらないことを決めることで、使えるお金、時間、労力も出来て、
その分自然と新しい事に挑戦出来るんですね。

僕もそんな感じで7年間ビジネスやり続けています。
その典型的な例として最近勉強したのが「星野リゾート」です。

海外に住んでいる僕でも知っているんで、
日本にいる人であれば知らない人はいないと思うんですけど、
売上規模とかで言えば、僕らのような個人ビジネスには関係なさそうに映りますが、
ビジネスの動きを見ると、勉強できることだらけです。

僕はクライアントに、ビジネスをする上で重要な流れとして、

・時代の流れ
・人の流れ

の2つを常に意識して情報を拾っていきましょうね、
って伝えています。

なぜなら、時代の状況が変わればそれに応じて人の流れも変わるし、
人の流れを読めなれば、その人達を満足させる事は出来ないからです。

というと難しそうに聞こえるかもしれませんが、
特別なスキルを持っていないと流れを読めないわけではありません。

普段から僕がお伝えしている「リサーチ」というのをしていれば、
要は「ライバル」「自分」「お客さん」「業種」のリサーチですね、
をしっかりし続けていれば、自然と見えてくることです。

そして、その流れに応じて自分の打てる選択肢を見渡して、
どれがその時にベストな選択肢なのか、打つ手を考えます。

星野リゾートの話に戻りますけど、
今の星野佳路さんは4代目だそうで、
1991年に社長に就任されました。

僕はその時小学生だったのであまり知らないのですが、
で、その当時って大型のリゾート施設ってのがドンドン立てられていた「時代」だそうです。

だから星野さんは「供給過剰」を予想しました。
そして、ある決断を下しました。

・新規開発はしない
・新規の物件は買わない

ね、これも時代の流れと人の流れを意識した結果下した決断ですよね。
その代わりに、運営受託をすることに決めたんだそうです。

で、今は国内35施設と、海外では数施設の運営をしているそうですが、
星野リゾートが常に掲げていた方向性として、

・脱コモディティ化
・「しない」事を決める

っていうのがあります。

最初にコモディティ化から説明しますと、
コモディティ化って言葉を知らない人はグーグルで調べて欲しいんですけど、
星野リゾートの話をすれば意味がわかると思いますんで、
このまま読み進めて欲しいなって思います。

時代背景なんですけど、その1980年代っていうのは
マリオット、ヒルトンそしてハイアットがブランドとして有名で、
この3社がリゾートホテル業界を席巻していた時代です。

ただね、この3社ともどんどん事業規模拡大をするために、
色々なホテルを買い漁っていたんですけど、
で、名前自体、要はブランドとしては傘下に色々と持っているんですけど、
名前はバラバラでも、サービスとしての差別化が全く出来ていなかったんですね。

で、サービスが一緒だとどういう事が起きるかと言えば、
ホテルのオーナーは「安価な運営会社」に運営を任せるようになります。

なぜなら、どこのホテルでも結局サービスが一緒なんだったら、
1番安いところに頼んだほうが経費が安く、利益が上がるからです。

そうなると面白い現象が起きて、
マリオット、ヒルトンそしてハイアット全ての会社が、
同じ運営会社に頼むような状況が訪れたんですね。

ここでホテル側にとって何が問題だったかと言えば、
ブランド力っていうのが全く無くなってしまった、という点です。

「私はマリオットのサービスが好きだからいつも泊まってる」

みたいな状況が無くなってしまった、という事なんですよ。
だって、サービスがどのブランドのホテルでも一緒なんですから。

「ブランド」を基準としてホテルを選んでいたお客さんが、
次に選ぶようになった基準というのが「値段」です。

サービスを基準に選べないわけですから、
「値段」を基準としてホテルを選ぶようになってしまったわけです。

僕がいつも避けるべきこととしてお伝えしている

「価格競争」

に陥ってしまったわけです。

価格競争というのは、得てして「コモディティ化された商品」に起きます。
要は、サービスに優位性とか機能性の差がほとんどの無いものの事です。
単なる消費財として位置づけられてしまった状態ですね。

お客さんとしては昔は「ブランド」で差別していたのが、
サービスが全く一緒になってしまっているから、それが出来ない。

しかも、同じ系列のホテルだとしても、
場所が変わればサービスの質やレベルってのが変わるわけで、
そうなると一つ一つのホテルの情報を、
自分の目で確認しながら選ばないといけなくなってしまった、というわけです。

今は情報過多、供給過多の時代で、
昔は手に入らなかった物が簡単に手に入るようになった一方で、
人間っていうのはあまりに情報が多すぎると処理が出来ないんですよ。

僕らで言えば、家電とかってそうじゃないですか。
新しい物に買い換えようかなって思ったりするけれど、
お店に行ってみても、同じような商品がズラッと商品棚に並んでいて、
でもそれを買ったらいいか分からないから、結局買わなかったみたいな。

そんな感じなんですけど、
ここに星野リゾートは目をつけたんですね。

「脱コモディティ化をしよう」と。

お客さんからしたら、もしブランドに力があれば、
レビューとかチェックしないじゃないですか。
僕なんか特に男性性が強いので、
基本的にレビューとかチェックしないタイプです。

もしブランドに信頼を置けているのであれば、
調べもせずに、どの場所に行っても同じホテルに泊まると思います。
リサーチ目的があるのであれば、色々なホテルに泊まるでしょうけど。

だから、星野リゾートは「ブランド力を上げる」事に力を注ぐ事にしました。
その一つは、

「一人に色々な事をする役割をもたせるようにした」

事です。
要は、一人何役も責任を持つって事です。

これってホテル業界では斬新なアイデアだったみたいで、
普通って、調理場、清掃、会計等、専門職がみんなで力を合わせて、
ホテルの運営を行うんですね。

じゃあ、なんでそういう事をしたかというと、
「アイドリングの時間をカットすることによるコストカット」
を目指したんだそうです。

例えばシェフって、いつも料理しているわけじゃないですよね。
担当業務が無い時間もあるわけですよ。そういう時間が勿体無いと。

ただそういう物理的な時間が勿体無いという以外にも、
「自分の持ち場以外は関与しない」姿勢ってのもあったわけです。
要は、他の業務には配慮しない、みたいな。
自分の役割さえ果たせていればオッケーみたいな。

そういう文化、専門集団文化を破壊しなければいけなかった、
という事です。

長い時間そういう文化、身分制度の中で働いてきた人たちにとっては、
その変化に対応するのも大変だったと思いますし、
その変化に対応できなかった人は止めていったんだと思います。

でも何より、昔からあったしがらみを取り除いて、
自分の行きたい方向に舵を取るために思い切って動いた星野さんというのは、
相当勇気のある方じゃないかな、と思うわけですよ。

もちろん、この「地域の人材を育てる」という作戦ですが、
全てのスタッフがホテル全体の事を考える事によって、
よりより雰囲気を醸し出すようになったのは言うまでも無いですけど、
デメリットが無いわけではないようです。

例えば、優秀な人材を長期間雇用するのが難しかったりとか、
一人が何役もこなさないといけないので、
マスターするまでに時間が掛かったりとか、
当然メリット・デメリットの両側面があるわけです。

あともう一つ、「しない事を決める」って話ですけど、
星野リゾートには「界」っていうブランドを作っています。

で、このブランドホテルの決め事として、

・ブライダルをしない
・宴会しない
・団体客は宿泊しない

という事を決めているんだそうですよ。
完全に「誰がターゲットなのか?」が明確ですよね。

そうすると、サービスの質が普通に良いのは前提ですけど、
変に「リピートさせるためにはどうしたらいいか?」
って事を考えなくても、自然とリピートしてくれるようになります。

要は、お客さんとしては、期待していることが満たされる事がわかっているから、
当然初めて宿泊した時に満足したって事が前提ですけど、
あえて他のホテルのレビューとか見ないでも泊まるわけですよ。

まさに脱コモディティ化が成功した例ですね。

と、まあここまでツラツラと書いてきましたけど、
長くなったのでまとめますね。

ま、売上規模、会社規模とかは全然違いますけど、

裏でやっている事って言うのは、個人ビジネスとそう変わらないわけです。

情報過多な時代だから、シンプルな物が選ばれる。
お客さんは選択肢が多すぎて困っているから、
自分のビジネスをしっかりブランディング出来れば、
お客さんが選べないで困っている状況から救うことが出来る。

という戦略を建てるのに必要なことは時代の流れを読むことであり、
その時代に生きている人の流れを読むことであり、
またライバル、お客さん、そして自分のリサーチをすることで、

・どこに向かっていくべきか?
・その為に今何をすべきか?

という時に選択肢がいくつか浮かび上がってくるって事です。

「星野リゾートが運営している「界」を選べば満足できるよね」

って彼らのお客さんが感じるのと同じで、
僕らのような個人ビジネスも、

「あなたのサービスを選べば、絶対に成長出来るよね」

と感じてもらえるようなメッセージやサービスを
もちろん僕も含めて発信するべきって事ですね。

その為にまずは「しないこと」を決めて欲しいなって思います。

ではでは。

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